エクセルで複数のデータを扱う際、それぞれの円グラフを作成して並べてみたものの、画面がごちゃごちゃして見づらくなってしまった経験はありませんか?一つひとつのグラフは分かりやすくても、数が増えると比較が難しくなり、本当に伝えたいメッセージがぼやけてしまいます。
この記事では、エクセルで円グラフを複数まとめるための具体的な手順や、見栄えを劇的に良くするテクニックをやさしく解説します。データの整理術からドーナツグラフの応用まで、初心者の方でもすぐに実践できる内容を詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
読みやすい資料を作るためには、単にグラフを並べるだけでなく、情報の優先順位を決めて視覚的に整理することが大切です。この記事を参考に、誰にでも伝わるスマートなグラフ作成スキルを身につけていきましょう。
エクセルで円グラフを複数まとめる基本技と補助円グラフの作り方

複数の円グラフを一つに集約したい場合、最も基本的な方法は「補助円グラフ付き円グラフ」を活用することです。これは、特定の項目の内訳をさらに詳しく見せたいときに非常に便利な機能です。
データの比較を容易にする集約の考え方
エクセルで複数の円グラフを作成すると、どうしても場所を取ってしまい、読者の視線が分散してしまいます。そこで重要なのが「情報の集約」です。バラバラに作成されたグラフを一つのまとまりとして見せることで、比較がしやすくなります。
まずは、どのデータを主役にするかを決めましょう。すべてのデータを等しく扱うのではなく、強調したい部分を絞り込むことが、「まとめる」作業の第一歩となります。情報の優先順位を明確にすることで、グラフの構成が自然と決まっていきます。
例えば、売上の全体像を見せつつ、特定の地域の詳細だけを別枠で表示するような構成にすると、情報の重要度が伝わりやすくなります。このように、一つのグラフに複数の意味を持たせる工夫が必要です。
補助円グラフ付き円グラフの具体的な手順
エクセルには、円グラフの一部分をさらに細かく分解して表示する「補助円グラフ付き円グラフ」という形式が用意されています。これを使えば、細かい項目が多くて見づらくなったグラフをすっきり整理できます。
作成方法は、対象のデータ範囲を選択してから「挿入」タブの「円グラフ」アイコンをクリックし、「補助円グラフ付き円グラフ」を選択するだけです。これで、一つの大きな円と、そこから派生した小さな円が表示されます。
初期状態では自動的に項目が振り分けられますが、後から「データ系列の書式設定」を使って、どの項目を補助グラフに移動させるかを調整できます。値の大きさや項目の名前で区切ることができるため、柔軟なカスタマイズが可能です。
補助グラフを使いこなすための微調整
補助グラフをより見やすくするためには、主グラフと補助グラフのサイズ比率や、隙間の広さを調整することが欠かせません。デフォルトのままでは、補助グラフが小さすぎて文字が読みづらい場合があるからです。
グラフエリアを右クリックして「データ系列の書式設定」を開き、「補助プロットのサイズ」の数値を変更してみましょう。これにより、2つの円のバランスを最適化できます。また、円と円を繋ぐ線の色や太さを変えることで、視認性がさらに向上します。
補助グラフ側の項目が多すぎると、結局まとまりのない印象になってしまいます。補助グラフに含める項目は3〜5個程度に抑えるのが、「きれいにまとめる」ためのポイントです。不要なデータは事前に整理しておきましょう。
複数のデータをドーナツグラフで重ねて表示する手順

複数の円グラフを一つの場所にまとめたいとき、ドーナツグラフを二重、三重に重ねる手法も非常に効果的です。これにより、同心円状に複数のデータ系列を並べて比較できるようになります。
二重ドーナツグラフを作成するメリット
ドーナツグラフを重ねる最大のメリットは、スペースを節約しながら複数の年度やカテゴリの推移を一度に表現できる点にあります。普通の円グラフを二つ並べるよりも、データの中心が共通しているため、割合の変化が一目で分かります。
例えば、昨年と今年の売上構成比を比較したい場合、内側の円に昨年のデータ、外側の円に今年のデータを配置します。こうすることで、どの項目のシェアが拡大し、どこが縮小したのかを直感的に把握できるのです。
この手法は、ビジネス資料における「構成比の比較」に最適です。グラフがコンパクトにまとまるため、スライドや報告書の限られたスペースを有効活用できるという利点もあります。
ドーナツグラフを重ねる具体的な操作方法
まずは、比較したい複数のデータ系列(例:2022年度と2023年度のデータ)をすべて選択します。その状態で「挿入」タブから「ドーナツグラフ」を選択してください。すると、標準で二重のドーナツ型グラフが作成されます。
エクセルの仕様では、上にある行(または左にある列)のデータが内側に、その下のデータが外側に配置されるようになっています。もし順番が意図した通りでない場合は、「データの選択」ダイアログから系列の順序を入れ替えましょう。
作成直後はドーナツの穴が大きすぎたり、各層の幅が狭かったりすることがあります。これらは「データ系列の書式設定」にある「ドーナツの穴のサイズ」を変更することで、好みの太さに調整可能です。
複数の系列を選択してグラフ化した際、うまく重ならない場合は、グラフの種類が「ドーナツ」になっているか再確認してください。通常の「円グラフ」では複数の系列を重ねて表示することはできません。
色分けとラベル配置で見やすさを極める
二重・三重のドーナツグラフは、配色を工夫しないと非常に見づらくなってしまいます。基本的には、同じカテゴリには同系色を使い、明度や彩度を変えることで「同じ項目の変化」であることを強調しましょう。
また、データラベルの配置も重要です。層が重なっているため、すべてのラベルを表示すると文字が重なってしまうことがあります。外側の円には項目名と数値を、内側の円にはパーセンテージのみを表示するなど、情報の整理を行ってください。
中心の空白スペース(ドーナツの穴)を活用して、総合計やグラフのタイトルを配置するのも賢い方法です。これにより、何についてのグラフであるかがより明確になり、洗練されたデザインの資料になります。
バラバラの円グラフを1枚のシートに綺麗に並べるコツ

データの性質上、どうしてもグラフを一つに統合できない場合もあります。そのような時は、複数の円グラフを「あたかも一つのユニット」のように美しく配置するテクニックを使いましょう。
図形の配置・整列機能でプロ級の仕上がりに
作成した複数の円グラフをマウスで適当に並べていませんか?実は、それだけで資料の信頼感は損なわれてしまいます。エクセルに備わっている「配置」機能を使い、上下左右を正確に揃えることが重要です。
複数のグラフを選択した状態で、「書式」タブ(またはページレイアウト)にある「配置」ボタンをクリックしてください。「左揃え」や「上下に整列」などのメニューを使うことで、1ピクセルの狂いもなく配置を整えることができます。
グラフ同士の間隔を均等に保つこともポイントです。「左右に整列」を使えば、複数のグラフを水平方向に等間隔で並べられます。これだけで、整然としたプロのようなレイアウトが完成します。
グラフエリアのサイズ統一とテンプレート化
複数のグラフを並べる際、サイズがバラバラだと比較が難しくなります。すべてのグラフの高さと幅を数値で指定し、完全に一致させましょう。グラフを選択した際に右上に表示される「サイズ」欄に直接数値を入力するのが最も確実です。
一つひとつ設定するのが面倒な場合は、最初に作った理想のグラフを「テンプレートとして保存」することをおすすめします。そうすれば、2つ目以降のグラフを作成する際にその型を適用するだけで、デザインやサイズが統一されます。
また、グラフ内のフォントサイズや凡例の位置も統一してください。あるグラフは右に凡例があり、別のグラフは下にあるといった状態は避けるべきです。視線の移動を最小限に抑えることが、読みやすさへの近道です。
グラフを綺麗に並べる手順のまとめ
1. 必要な数だけ円グラフを作成する
2. 各グラフのサイズ(高さ・幅)を数値指定で統一する
3. 「配置」機能を使って上下左右のラインを揃える
4. 「整列」機能を使ってグラフ間の余白を均等にする
スライサーを使った動的なグラフ切り替え
たくさんのグラフを並べる代わりに、「スライサー」という機能を使って一つのグラフを動的に切り替えるのも高度な「まとめ技」です。これにはピボットテーブルとピボットグラフを活用します。
スライサーを使えば、ボタンをクリックするだけで「2022年」「2023年」といった表示を瞬時に切り替えられます。これにより、狭いスペースでも膨大な情報をスマートに提示することが可能になります。
見る人が自分の知りたいデータを選べるため、インタラクティブな資料として高く評価されるでしょう。複数の円グラフを物理的に並べるのではなく、「一つの枠で複数を管理する」という逆転の発想です。
項目が多い場合に役立つ「その他」へのまとめ方

円グラフに表示する項目が10個も20個もあると、一つひとつの扇形が細くなりすぎて内容が伝わりません。そんな時は、重要度の低いデータを「その他」として一つにまとめる工夫が必要です。
閾値を決めてデータをグループ化する
円グラフで見やすい項目の上限は、一般的に5〜7個程度と言われています。それ以上の項目がある場合は、シェアが低いものを合算して「その他」として扱いましょう。これにより、主要な項目が際立つようになります。
どのラインでまとめるかは、データの性質によりますが、全体の3〜5%以下の項目を「その他」にまとめるのが一般的です。エクセルの元データ上で、あらかじめ数値を合算しておくことで、グラフは格段にスッキリします。
「その他」にまとめることで、本当に注目すべき上位の項目が明確になります。読み手にとっても、重要度の低い細かい数字を追いかける必要がなくなり、データの本質を理解しやすくなります。
ピボットテーブルでの効率的な集計管理
元データを直接いじるのが不安な場合は、ピボットテーブルを使って集計を行うのがおすすめです。ピボットテーブルなら、ドラッグ&ドロップ操作で簡単に項目のグループ化やフィルタリングが行えます。元の数値を壊さずに、表示用データだけを整理できます。
ピボットテーブル上で、まとめたい項目を複数選択し、右クリックから「グループ化」を選択します。そうすると、それらの項目が一つのグループとして集計されます。名前を「その他」に変更すれば、そのままグラフに反映されます。
この方法の利点は、後から内訳を確認したくなった時に、すぐにグループを解除して詳細データに戻せることです。動的なデータ管理が可能になるため、定期的に更新が必要な資料作成には欠かせないテクニックです。
表示する項目数を絞り込む判断基準
どの項目を残し、どれを「その他」にするかの判断基準として、以下の表を参考にしてみてください。目的を明確にすることで、迷わずにデータを整理できるようになります。
| 項目の種類 | 扱い方の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 上位3〜5項目 | 必ず個別に表示 | 全体の傾向や主要因を示すため |
| 中位項目 | 内容に応じて統合 | メッセージに必要なら残し、不要ならまとめる |
| 下位項目(微小) | 「その他」へ統合 | 視覚的なノイズを減らし、上位を強調するため |
このように、単に数値をまとめるだけでなく、「この資料で何を伝えたいのか」という目的に沿って項目を選ぶことが、質の高い円グラフを作る秘訣です。
サンバースト図やツリーマップによる代替案

「複数の円グラフをまとめたい」という目的を達成するために、あえて円グラフ以外のグラフ形式を検討するのも一つの手です。エクセルには階層構造を表現するのに適したグラフが用意されています。
階層構造を表現するサンバースト図の魅力
サンバースト図は、中心から外側に向かって階層が広がる円形のグラフです。複数の円グラフを同心円状に並べたような見た目ですが、内側のカテゴリと外側の詳細項目が連動しているのが特徴です。
例えば、「大分類(食品)」の中に「中分類(野菜、果物)」があるようなデータの場合、サンバースト図を使えばその親子関係を一目で表現できます。円グラフを複数作成して説明する手間がこれ一つで解消されます。
見た目も非常にモダンでインパクトがあるため、プレゼンテーション資料などで目を引く効果も期待できます。複数の円グラフを並べるよりも、情報の構造化が伝わりやすいというメリットがあります。
面積で割合を示すツリーマップの活用
データの項目数が非常に多い場合、円グラフよりもツリーマップの方が適していることがあります。ツリーマップは四角形の面積で割合を表現するグラフで、スペースを無駄なく活用できるのが強みです。
円グラフでは表現しにくい「小さな割合の項目」も、ツリーマップなら四角形として綺麗に敷き詰められます。カテゴリごとに色分けして表示されるため、複数のグループが混在するデータでも整然とまとめることが可能です。
特に、予算の内訳や組織の構成など、多階層で多項目のデータを一枚の図に収めたい場合には、円グラフを無理にまとめるよりもツリーマップを選んだ方が、圧倒的に分かりやすい資料になります。
複数の円グラフを一つの図に統合するメリット
最終的にどのグラフを選ぶにせよ、バラバラだった情報を「一つの図」に統合することには大きな意味があります。それは、比較の軸を固定し、データの関係性を可視化できるからです。
複数の円グラフを別々に作ると、それぞれの「100%」の大きさが異なって見えてしまうことがありますが、サンバーストやツリーマップなら全体の中での相対的な位置付けが明確になります。
道具(グラフ)を使い分けることで、エクセルでの表現力は格段にアップします。円グラフに固執せず、「どうすれば最も伝わりやすいか」という視点で最適な形式を選択できるようになりましょう。
エクセルで円グラフを複数まとめて見やすく管理するポイント
ここまで、エクセルで円グラフを複数まとめるための様々な手法を紹介してきました。複数のデータを整理して伝えるためには、単に機能を使いこなすだけでなく、読み手の視点に立った工夫が不可欠です。
まずは補助円グラフやドーナツグラフを活用して、視覚的な密度を下げることが基本です。情報の優先順位をつけ、重要度の低い項目は思い切って「その他」にまとめる勇気を持ちましょう。また、どうしても複数のグラフが必要な場合は、配置やサイズを厳密に揃えることで、資料の完成度が大きく向上します。
最後にご紹介したサンバースト図などの新しい形式も、複雑なデータを一つにまとめる強力な味方になってくれます。今回解説したテクニックを組み合わせて、ぜひ「一目で内容が伝わる」スマートなエクセル資料を作り上げてください。データの整理が上手になれば、あなたの業務効率も、周囲からの評価もきっと高まるはずです。



