Microsoft Wordで文書を作成しているとき、ページ番号を単なる「1」ではなく「1/2」や「1/20」といった「現在のページ番号/総ページ数」の形式で表示したい場面は多いものです。特に報告書やマニュアルなど、全体のボリュームを把握してもらう必要がある書類では、この「1/2」という形式は非常に役立ちます。
しかし、いざ設定しようとすると「どこにメニューがあるのかわからない」「2ページ目から開始したいのに総ページ数が合わない」といったトラブルに直面することもあります。本記事では、Wordでページ番号を1/2形式にする基本手順から、表紙を除いてカウントする応用テクニックまで詳しく解説します。
word ページ番号を1/2形式で表示するための基本操作

Wordには、標準の機能としてページ番号を「1/2」のような形式(X/Y形式)で挿入するテンプレートが用意されています。まずは最もシンプルで確実な、メニューから選択する方法をマスターしましょう。この方法なら、面倒な手入力をすることなく自動でページ数が更新されるようになります。
挿入タブからテンプレートを選択する手順
ページ番号を1/2形式にする最も簡単な方法は、Wordの「挿入」タブにある専用メニューを使うことです。まず、画面上部のリボンから「挿入」タブをクリックします。次に「ヘッダーとフッター」グループの中にある「ページ番号」を選択してください。
表示されたメニューから「ページの下部」などを選び、右側のリストを下にスクロールしていきます。すると「X/Y ページ」というカテゴリーが見つかります。その中にある「太字の番号 2」などを選択すると、自動的に「1/2」といった形式でページ番号が挿入されます。
「X/Y ページ」形式のバリエーション
「X/Y ページ」形式には、いくつかのデザインバリエーションがあります。シンプルに数字とスラッシュだけで構成されたものや、「1 / 2 ページ」のように日本語の単位が含まれているものなど、文書の雰囲気に合わせて選ぶことが可能です。
もし標準のテンプレートに気に入ったものがない場合は、一度ページ番号を挿入した後に、スラッシュの前後のスペースを詰めたり、フォントを変更したりしてカスタマイズすることもできます。挿入された番号をダブルクリックすれば、通常のテキストと同じように編集できる状態になります。
ページ番号が「1/1」になってしまう原因と対策
よくあるトラブルの一つに、ページ番号を挿入したはずなのに、すべてのページで「1/1」と表示されてしまう現象があります。これは、ページ番号を「フィールド」として挿入せず、直接数字をキーボードで入力してしまった場合に発生します。
Wordのページ番号は、現在のページを表す「PAGE」という命令と、総ページ数を表す「NUMPAGES」という命令によって動いています。数字を直接書き込んでしまうと、どのページでもその数字が固定されてしまいます。修正するには、一度入力した数字を消去してから、改めて「挿入」メニューの「ページ番号」から設定し直す必要があります。
自動更新の仕組みを理解しよう
Wordのページ番号は「フィールドコード」という仕組みで管理されています。ページが増減するたびにWordが自動で計算してくれるため、手書きで数字を書き換える必要はありません。
2ページ目からページ番号1/2を開始する設定方法

多くの書類では、1ページ目に表紙を配置します。そのため「表紙には番号を表示せず、2ページ目から1/1(または1/2)と開始したい」というニーズがあります。しかし、単純にページ番号を挿入するだけでは表紙が「1/2」となってしまい、思うような仕上がりになりません。ここでは「セクション区切り」を使った解決法を解説します。
セクション区切りで文書を分割する
2ページ目から番号を振り直すためには、まず「表紙」と「本文」を別々のグループとしてWordに認識させる必要があります。これを行う機能が「セクション区切り」です。まず、1ページ目(表紙)の最後の行にカーソルを置きます。
次に「レイアウト」タブをクリックし、「区切り」から「次のページから開始」を選択してください。これで、文書がセクション1(表紙)とセクション2(本文以降)に分かれました。見た目に変化はありませんが、Word内部では管理が切り離された状態になります。
「前と同じヘッダー/フッター」を解除する重要性
セクションを分けただけでは、まだ設定は連動したままです。次に、2ページ目のフッター(ページ番号が表示される場所)をダブルクリックして編集モードにします。リボンの「ヘッダーとフッター」タブにある「前と同じヘッダー/フッター」というボタンに注目してください。
このボタンが選択状態(色が反転している状態)だと、前のセクションの設定を引き継いでしまいます。このボタンをクリックして選択を解除してください。これで、2ページ目以降のページ番号設定を、表紙とは無関係に自由に変更できるようになります。
開始番号を「1」に変更する手順
リンクを解除したら、2ページ目の番号を「1」から始まるように調整します。2ページ目のページ番号を選択した状態で、「ヘッダーとフッター」タブの「ページ番号」から「ページ番号の書式設定」をクリックしてください。
ダイアログボックスが表示されたら、下部にある「連続番号」の項目で「開始番号」を選択し、右側のボックスに「1」と入力します。これで、2ページ目の表示が「1」になります。最後に1ページ目(表紙)に残っているページ番号を削除すれば、希望通りの設定が完了します。
総ページ数(分母)をカスタマイズして正しく表示する

ページ番号を「1/2」形式にしたとき、最も多い悩みが「分母の数字(総ページ数)が合わない」という点です。例えば、全3ページの文書で表紙を除いて2ページ分だけをカウントしたい場合、普通に設定すると「1/3」と表示されてしまいます。この「分母」の数字を調整するには、フィールドコードの編集が必要です。
フィールドコードを表示して中身を確認する
Wordのページ番号の実体は、計算式のようなものです。この計算式(フィールドコード)を直接書き換えることで、分母を自由に操作できます。まず、挿入されているページ番号を右クリックし、「フィールドコードの切り替え」を選択してください。
すると数字が消えて「{ PAGE } / { NUMPAGES }」といった英単語が表示されます。ここで「PAGE」が現在のページ、「NUMPAGES」が文書全体の総ページ数を表しています。この「NUMPAGES」の部分を加工することで、表示される総ページ数をマイナスしたり調整したりすることが可能になります。
総ページ数から特定の枚数を引き算する方法
表紙を除いた総ページ数を表示したい場合、「全体のページ数から1を引く」という計算式を作ります。フィールドコードの画面で「{ NUMPAGES }」の部分を、次のような形式に書き換えます。なお、「{ }」の記号はキーボードで入力するのではなく、「Ctrl + F9」キーを使って挿入する必要があります。
具体的には「{ = { NUMPAGES } – 1 }」という構造にします。最初の「{」をCtrl + F9で作り、その中に「=」と「{ NUMPAGES }」、最後に「- 1」を記述します。少し複雑に感じるかもしれませんが、この数式を使うことで「全3ページだけど分母は2」といった表示を完璧に実現できます。
セクション内のページ数だけをカウントする「SECTIONPAGES」
文書が非常に長く、章ごとにページ番号を「1/5(第1章全5ページ中1ページ目)」のように完結させたい場合は、「NUMPAGES」ではなく「SECTIONPAGES」というコードを使います。これを使うと、文書全体ではなく現在のセクション内のページ数だけを自動でカウントしてくれます。
使い方は簡単で、フィールドコード内の「NUMPAGES」という文字列を「SECTIONPAGES」に書き換えるだけです。各章の区切りで「セクション区切り」を入れておけば、それぞれの章で独立した「1/X」という表示が可能になり、非常に見やすいマニュアル等を作成できます。
フィールドコードの編集を終えたら、再度右クリックして「フィールド更新」を選択するか、「Alt + F9」を押すと、数式が計算されて正しい数字の表示に戻ります。
ページ番号1/2のデザインや位置を細かく調整する

ページ番号はただ表示されていれば良いというものではありません。文書の端に寄りすぎていたり、フォントが本文と合っていなかったりすると、せっかくの書類もバランスが悪く見えてしまいます。ここでは、見た目をプロっぽく整えるためのカスタマイズ手法を紹介します。
フォントサイズと色の変更で視認性を高める
挿入された「1/2」という数字は、初期設定では本文と同じフォントになっていることが多いですが、少し小さめにしたり、グレー系の色にしたりすることで、本文の邪魔をしない控えめなデザインになります。調整するには、ページ番号が表示されているフッター領域をダブルクリックします。
数字を選択した状態で「ホーム」タブに切り替え、フォントサイズを「9pt」や「10pt」に落としたり、文字色を変更したりしてみましょう。スラッシュ(/)の部分だけフォントを変えて、スタイリッシュな印象を与えるといった細かなこだわりも可能です。
配置の調整(左・中央・右)とインデント
ページ番号の位置は、一般的に「中央」か「外側(右)」が好まれます。Wordのテンプレートで挿入した直後は位置が固定されているように見えますが、実はこれも段落設定で簡単に変えられます。「ホーム」タブの「中央揃え」や「右揃え」ボタンを使ってみてください。
もし「右端から少しだけ内側に寄せたい」といった特殊な配置を希望する場合は、ルーラーにある「右インデント」のマーカーをドラッグすることで微調整が可能です。また、ページ番号の前に「Page. 」といった文字を手入力で付け加えることもでき、より親切な表示に変更できます。
ヘッダーとフッターの余白(高さ)を調整する
ページ番号が印刷したときに切れてしまったり、逆に本文に近すぎて窮屈に感じたりする場合は、余白の設定を見直します。フッター編集モードのとき、リボンに「下からのフッター位置」という設定項目が表示されます。
この数値を大きくするとページ番号が上に移動し、小さくするとページの下端に近づきます。一般的には「15mm」前後がバランスが良いとされていますが、プリンターの印刷可能範囲も考慮して調整してください。数値を変更するたびにリアルタイムで位置が変わるため、最適な場所を探りやすいはずです。
デザインのヒント
ビジネス文書では、ページ番号の左右に短い横線を入れる「― 1/2 ―」のようなスタイルもよく使われます。これは数字の前後で直接ハイフンを入力するだけで簡単に作成できます。
ページ番号が正常に表示されない・更新されない時のトラブル解決

「設定したはずなのに数字が出てこない」「印刷プレビューで見ると消えている」といったトラブルは、Wordのページ番号設定で非常によくあるケースです。ここでは、困ったときにチェックすべきポイントを詳しくまとめました。冷静に一つずつ確認していけば、必ず元通りに直せます。
フィールドコードがむき出しになっている場合の直し方
ページ番号の部分が「{ PAGE } / { NUMPAGES }」という文字のまま表示されてしまい、数字に戻らないことがあります。これは「フィールドコードの表示モード」がオンになっていることが原因です。故障ではありませんので安心してください。
解決するには、キーボードの「Alt + F9」を同時に押します。これで、コード表示と数値表示を切り替えることができます。もし一部の番号だけがおかしい場合は、その部分を選択して右クリックし、「フィールド更新」を選ぶことでも正しい数値に反映されます。
「先頭ページのみ別指定」のチェックを確認する
「1ページ目だけどうしても番号が表示されない」という場合は、セクション設定ではなく、もっと単純なオプションが原因かもしれません。ヘッダー/フッターの編集モードで、リボンの「オプション」グループにある「先頭ページのみ別指定」にチェックが入っていないか確認してください。
ここにチェックが入っていると、Wordはそのセクションの1ページ目を特別扱いし、内容を空欄にします。表紙の設定で意図的に使う機能ですが、気づかずにチェックが入っていると「なぜか消えた」という混乱を招きます。不要な場合はチェックを外せば、すぐに番号が再表示されます。
印刷プレビューで番号が消える・ずれる時のチェック
編集画面では正しく見えているのに、印刷プレビューや実際の印刷物でページ番号が消えてしまうことがあります。これは、ページ番号がプリンターの「印刷不可領域」に入ってしまっている可能性が高いです。
前述した「下からのフッター位置」の数値を少し大きくして、番号を上に持ち上げてみてください。また、ごく稀に「背景に挿入した画像や図形」がページ番号の上に重なって隠してしまっていることもあります。その場合は、図形の「背面へ移動」を設定するか、ページ番号を「最前面」に配置し直すことで解決します。
| 症状 | 主な原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| { PAGE } と表示される | フィールドコード表示がON | Alt + F9 を押す |
| 1ページ目だけ消える | 先頭ページのみ別指定がON | オプションのチェックを外す |
| 印刷すると番号が欠ける | フッターの位置が低すぎる | 下からのフッター位置を上げる |
| 数字がずっと「1」のまま | 数字を手入力してしまっている | 挿入メニューから入れ直す |
wordのページ番号を1/2形式で正しく管理するためのまとめ
Wordでページ番号を「1/2」形式に設定する方法は、基本さえ押さえれば決して難しくありません。まず「挿入」タブから「X/Y ページ」のテンプレートを選ぶのがスタート地点です。そこから、セクション区切りを使って表紙を除外したり、開始番号を調整したりすることで、思い通りのページ構成が作れるようになります。
特に「総ページ数(分母)を調整したい」という高度な要望については、フィールドコードの仕組みを知っておくと非常にスムーズです。少し難しく感じるかもしれませんが、Ctrl + F9を使った数式の挿入は、一度覚えてしまえば文書作成の幅を大きく広げてくれる強力な味方になります。
もし設定がうまくいかなくなった時は、Alt + F9でコードの状態を確認し、不要なセクション区切りが紛れ込んでいないか、リンク設定が正しく解除されているかを見直してみてください。これらのポイントをマスターして、読み手にとって親切で分かりやすい資料作りを目指しましょう。

