エクセルで名簿や名刺リストを作成している際、漢字の上にふりがなを表示したいのに、なぜか表示されなくて困ったことはありませんか。入力を進めている途中で設定が反映されなかったり、他のファイルからコピーしてきたデータだけふりがなが出なかったりと、トラブルのパターンはいくつか存在します。
実は、エクセルのふりがな機能は、入力した時の「キーボード操作」を記録することで成り立っています。そのため、コピー&ペーストしたデータや外部ソフトから取り込んだデータには、そもそもふりがなの情報が含まれていないことが原因となっている場合がほとんどです。
この記事では、エクセルでふりがなが表示されない原因を特定し、初心者の方でも簡単に直せる手順を詳しく解説します。設定の確認方法から、関数を使った表示方法、そして一括でふりがな情報を付与する裏技まで、役立つ情報を幅広く網羅しました。この記事を読めば、ふりがなに関するトラブルをスムーズに解決できるようになります。
エクセルでふりがなが表示されない主な原因と基本の確認

エクセルでふりがなが表示されない場合、まずは「設定がオフになっているのか」それとも「データにふりがな情報がないのか」を見極める必要があります。この切り分けを行うことで、無駄な作業を省き、最短で問題を解決することができます。
ふりがなが表示されない主な3つの理由
1. エクセルの「ふりがなの表示」設定が無効になっている
2. 他の場所からコピーしてきたデータで、ふりがな情報(メタデータ)が含まれていない
3. セルの書式設定やフォントの設定によって、ふりがなが隠れてしまっている
「ふりがなの表示」設定がオフになっている
最も単純な原因は、エクセルの表示設定そのものがオフになっているケースです。エクセルにはセルごとにふりがなを表示するかどうかを切り替えるボタンがあり、ここがオフになっていると、どんなに正しいデータが入っていても画面上には表示されません。
特に、他の人が作成したファイルを受け取った場合などは、作成者が意図的に表示をオフにしていることがあります。まずは、対象のセルを選択した状態で、ホームタブにあるふりがなの設定ボタンを確認してみましょう。ボタンが押されていない状態であれば、クリックするだけで解決します。
もしボタンを押しても何も変化がない場合は、そのセル自体にふりがなデータが入っていない可能性が高いです。その場合は、次のステップとしてデータの素性を確認する必要があります。まずは「表示設定の切り替え」を試すのが、トラブル解決の第一歩です。
データ自体にふりがな情報が含まれていない
エクセルでふりがなが表示されるのは、キーボードで漢字に変換する際の「読み」が記録されているからです。しかし、Webサイトからコピーした文字や、CSVファイルなどのテキスト形式のデータをインポートした場合は、この「読み」の情報が削ぎ落とされてしまいます。
このように、見た目は漢字であっても内部にふりがなデータを持っていない状態のことを、「ふりがな情報が欠落している」と表現します。この状態のセルに対して表示設定をオンにしても、エクセル側は「何をふりがなとして出せばいいかわからない」ため、何も表示されません。
外部から取り込んだデータでふりがなが出ない場合は、手動でふりがなを再登録するか、エクセルの機能を使って自動的にふりがな情報を生成し直す必要があります。この具体的な手順については、後のセクションで詳しく解説していきます。
フォントの色やサイズの設定で見えなくなっている
意外と見落としがちなのが、セルの書式設定による問題です。ふりがなの表示設定はオンになっていても、フォントのサイズが極端に小さかったり、セルの高さが足りなかったりすると、ふりがなが隠れて見えなくなってしまうことがあります。
また、セルの背景色とふりがなの色が同じになってしまっている場合も、物理的には存在するのに視覚的には確認できません。ふりがな専用のフォント設定は、通常の文字設定とは別で行う必要があるため、意図せず見えにくい設定になっていることがあるのです。
もし「ふりがなの表示」をオンにした際に、セルの高さが少しだけ広がったのに文字が見えないという場合は、この書式設定を疑ってみてください。セルの高さを広げたり、フォント設定を見直したりすることで、隠れていたふりがなが姿を現すことがあります。
ふりがなを表示させる基本操作と設定変更

原因がわかったところで、次は実際にエクセルを操作してふりがなを表示させる手順を確認しましょう。エクセルの標準機能を使えば、ひらがなやカタカナの切り替え、配置の調整などが自由自在に行えます。
ホームタブの「ふりがなの表示」ボタンを使う
最も基本的な操作は、リボンメニューの「ホーム」タブにあるボタンを使用する方法です。フォント設定エリアのすぐ近くに、「亜」という漢字の上に「ア」と書かれた小さなアイコンがあります。これがふりがな(フォントのふりがな)ボタンです。
このアイコンを直接クリックすると、選択しているセルのふりがな表示が「オン」と「オフ」に切り替わります。正しくふりがなデータを持っているセルであれば、これだけで漢字の上に小さな文字が表示されるはずです。
もしアイコンをクリックしても反応がない場合は、アイコンの右側にある「▼」マークをクリックしてみてください。メニューの中に「ふりがなの表示」という項目がありますので、そこを選択することで確実に表示状態を変更できます。操作自体は非常に簡単なので、まずはここを確認しましょう。
ひらがな・カタカナを切り替える設定方法
エクセルのデフォルト設定では、ふりがなは「全角カタカナ」で表示されることが多いです。しかし、名簿の作成ルールによっては「ひらがな」で表示したい、あるいは「半角カタカナ」にしたいという要望もあるでしょう。
表示形式を変更するには、先ほどのふりがなボタンの横にある「▼」をクリックし、「ふりがなの設定」を選択します。表示されたダイアログボックスの「種類」という項目から、ひらがな、全角カタカナ、半角カタカナの3種類から選ぶことができます。
設定を変更して「OK」を押すと、選択していたすべてのセルの表示形式が一括で切り替わります。一度設定しておけば、その後そのセルに入力するデータにも同じ形式が適用されるため、最初に好みの形式に整えておくと後の作業が楽になります。
ふりがなの配置やフォントを調整する
ふりがなが表示されていても、文字が詰まって見えにくかったり、左に寄りすぎてバランスが悪かったりすることがあります。このような場合は、「ふりがなの設定」ダイアログにある「配置」タブや「フォント」タブを活用しましょう。
「配置」タブでは、ふりがなを左寄せにするか、中央揃えにするか、あるいは漢字の間隔に合わせて均等に割り付けるかを選択できます。特に氏名などのリストでは、中央揃えや均等割り付けを選ぶと、見た目が非常に美しく整います。
「フォント」タブでは、ふりがなだけの文字サイズや色を変更できます。漢字と同じ大きさだと圧迫感がある場合は、少しサイズを小さくしたり、色を薄いグレーにしたりすることで、メインの文字を邪魔せずにふりがなを添えることができます。自分好みの見栄えに調整してみましょう。
コピー&ペーストしたデータにふりがなを付ける方法

外部から持ってきたデータにはふりがな情報が入っていないため、単純に表示ボタンを押すだけでは解決しません。しかし、一つひとつ手入力し直すのは膨大な時間がかかります。ここでは、効率的にふりがな情報を追加するテクニックを紹介します。
Webからコピーした名前リストなどにふりがなを表示させたい場合は、以下の方法を試してみてください。エクセルが漢字を解析して「読み」を自動で推測してくれます。
「PHONETIC関数」を使って別のセルに表示させる
漢字の入ったセルの隣に、ふりがな専用の列を作りたい場合に便利なのが「PHONETIC(フォネティック)関数」です。この関数は、指定したセルに含まれるふりがな情報をテキストとして取り出す機能を持っています。
使い方は非常に簡単で、ふりがなを表示したいセルに「=PHONETIC(A1)」のように入力するだけです(A1は対象の漢字が入ったセル)。ただし、この関数も元となるセルにふりがな情報がない場合は、単に漢字をそのまま返してしまいます。
「関数を入れたのに漢字が表示される」という現象が起きたときは、元データにふりがな情報が欠落している証拠です。その場合は、次のステップで紹介する「ふりがな情報の強制生成」を行う必要があります。まずはこの関数を使って、現状データがふりがなを持っているか確認してみましょう。
Alt + Shift + ↑キーで1つずつ手動入力する
特定のセルだけふりがなが間違っていたり、どうしても自動で出ない場合の最終手段として、手動でふりがなを編集する方法があります。マウスを使わずにキーボード操作だけで完結するため、慣れると意外とスピーディーです。
対象のセルを選択した状態で、キーボードの「Alt」キーと「Shift」キーを同時に押しながら「↑」キーを押してください。すると、セル内の漢字の上にふりがな入力用のボックスが現れ、直接文字を入力できるようになります。
入力が終わったら「Enter」キーを押すことで確定されます。この操作を行うと、そのセルにふりがな情報が正しく登録されるため、前述のPHONETIC関数でも正しく読みが取得できるようになります。数件程度の修正であれば、このショートカットキーを使うのが最も確実で速い方法です。
VBA(マクロ)を使って一括でふりがな情報を生成する
数百、数千件のデータにふりがな情報がない場合、手動で修正するのは現実的ではありません。そこで役立つのが、エクセルに備わっている自動解析機能(SetPhonetic)をマクロで呼び出す方法です。専門知識がなくても、以下の手順で簡単に実行できます。
まず、ふりがなを付けたいセル範囲を選択します。次に「Alt + F11」キーを押してVBAエディタを開き、「Ctrl + G」でイミディエイトウィンドウを表示させます。そこに「Selection.SetPhonetic」と入力してEnterを押すだけです。
この操作を行うと、エクセルが内蔵の辞書を使って、選択範囲内のすべての漢字に対して最適なふりがなを推測して一括付与してくれます。100%正確とは限りませんが(特に人名の読みなどは注意が必要)、一から入力する手間を考えれば劇的な時短になります。作業後は表示ボタンを押して確認してみましょう。
PHONETIC関数が正しく機能しない場合の対処法

ふりがなを表示させるためにPHONETIC関数を使ってみたものの、期待通りに動かないことがあります。特に「漢字がそのまま表示される」「空白になってしまう」といったトラブルは多くのユーザーが経験する悩みです。
PHONETIC関数でよくあるトラブルの解決策
・漢字が表示される:ふりがな情報の強制付与(SetPhonetic)を行う
・空白が表示される:元のセルに値が入っているか、数式でないかを確認する
・誤った読みが表示される:手動でふりがな編集(Alt+Shift+↑)を行う
関数を使っても漢字のまま表示される理由
PHONETIC関数を入力したのに、結果が元のセルと同じ「漢字」のままになってしまう。これは、そのセルが「ふりがな情報」という隠れたデータを持っていないことが原因です。エクセルにとって、ふりがな情報がない漢字は、単なる記号のような扱いになります。
この現象は、他のエクセルファイルから「値として貼り付け」をした際や、ブラウザ上の表をコピーして貼り付けた際によく起こります。解決するには、前述の「Selection.SetPhonetic」をイミディエイトウィンドウで実行し、エクセルに漢字の読みを再定義させる必要があります。
もしマクロを使うのが怖いという場合は、対象のセルで「F2」キーを押して編集状態にし、何も変えずに「Enter」を押す作業を繰り返すだけでも、IME(日本語入力システム)を介してふりがな情報が再登録されることがあります。量が多い場合はマクロによる一括処理がおすすめです。
値貼り付けされたデータの修正方法
計算式の結果を「値として貼り付け」したデータも、ふりがな情報が消えてしまう原因の一つです。例えば、別のセルからVLOOKUP関数などで名前を引っ張ってきた場合、その計算結果のセルに対してPHONETIC関数を使っても、正しく動作しません。
PHONETIC関数が参照できるのは、あくまで「直接入力された文字」または「ふりがな情報を持つセル」だけです。数式の参照先がふりがなを持っていない場合、参照元から修正する必要があります。参照元のデータを修正すれば、連動して関数側の表示も正しくなります。
もし参照元をいじることができない場合は、一度その値をコピーして、メモ帳などのテキストエディタに貼り付け、それを再度エクセルに貼り付け直してから、前述の一括付与(SetPhonetic)を試してみてください。これにより、データの紐付けがリセットされ、新しくふりがなを生成できるようになります。
他ソフトからインポートしたCSVファイルの注意点
会計ソフトや顧客管理システムから書き出したCSVファイルをエクセルで開くと、ふりがなが一切表示されないことがあります。これはCSV(カンマ区切り)形式が「文字情報のみ」を保存する仕様であり、エクセル独自のふりがなデータまでは保存できないためです。
CSVファイルとして保存されている時点で、入力時のキーボード操作記録は完全に失われています。そのため、エクセルでそのファイルを開いた後に、改めてふりがな情報を生成する工程が必要不可欠です。インポート直後は、必ず全データを選択してふりがな付与の操作を行いましょう。
また、一度エクセル形式(.xlsx)で保存しておかないと、せっかく付与したふりがな情報も、再度CSVで保存した瞬間に消えてしまいます。ふりがなを維持したいデータは、必ず通常のワークブック形式で保存することを忘れないようにしてください。
スマホ版エクセルや特定の環境でのふりがな対応

普段PCで使っているエクセルと同じ感覚で、スマホやWeb版のエクセルを使うと、ふりがなの操作ができずに戸惑うことがあります。デバイスや環境によって、ふりがな機能のサポート範囲が異なるため注意が必要です。
iPhoneやAndroid版エクセルでの制限事項
残念ながら、2024年現在のiPhoneやAndroid用エクセルアプリでは、PC版のような「ふりがなの表示・非表示」を切り替えるメニューや、「ふりがなの設定」機能は搭載されていません。スマホ版はあくまで簡易的な編集や閲覧を目的としているためです。
ただし、PC版で作成された「すでにふりがなが表示されているファイル」をスマホで開いた場合は、ふりがなを表示したまま閲覧することが可能です。しかし、スマホ上で新しく入力した文字にふりがなを付けたり、既存のふりがなを編集したりすることはできません。
スマホで名簿を管理し、どうしてもふりがなが必要な場合は、ふりがな専用の列を作成し、PHONETIC関数や手入力で文字としてふりがなを書き込んでおくのが現実的な対策です。PC版の「ふりがな機能」に頼りすぎない構成を検討しましょう。
Web版エクセル(Excel Online)での挙動
ブラウザ上で動作する「Excel Online」も、デスクトップ版に比べると機能が制限されています。現時点では、Web版のエクセル上でふりがなの表示を切り替える機能は提供されていません。基本的にはスマホ版と同じく、表示設定の変更はPCアプリ版で行う必要があります。
Web版で共有されたファイルを編集する際、ふりがなが表示されなくても、データ自体が壊れているわけではありません。PCアプリ版で開き直せば、以前の設定通りにふりがなを確認できます。Web版はあくまで一時的な数値修正やデータの追記用と割り切るのが良いでしょう。
もし共同編集を行っていて、どうしてもWeb版でふりがなを共有したい場合は、やはり「別のセルにふりがなを入力する」という運用が最も確実です。エクセルの標準機能としてのふりがな表示は、デスクトップ版専用の「見た目」の機能であることを理解しておきましょう。
Mac版エクセルでの操作の違い
Windows版とMac版のエクセルでは、リボンメニューの構成が似ていますが、細かいボタンの配置やショートカットキーが異なります。Mac版でもふりがなの表示は可能ですが、ホームタブのフォントセクションにあるボタンを探す必要があります。
Mac版でふりがなを編集したい場合のショートカットキーは「Option + Shift + ↑」です。Windows版のAltキーがOptionキーに置き換わっていると考えればわかりやすいでしょう。これを使えば、Mac環境でもセルにふりがな情報を追加・修正できます。
また、Windows版で作成した「ふりがな設定済みファイル」をMacで開いても、基本的にレイアウトが崩れることなく表示されます。OSをまたいでファイルをやり取りする場合は、あらかじめフォント設定を標準的なもの(游ゴシックやMSゴシックなど)にしておくと、より安定して表示されます。
エクセルでふりがなが表示されないトラブルのまとめ
エクセルでふりがなが表示されない問題は、設定の見直しとデータ形式の確認でほとんどが解決します。まずはホームタブの「ふりがなの表示」ボタンが有効になっているかを確認し、表示されない場合はデータに「読み」の情報が含まれているかを疑いましょう。
外部からコピーしたデータやCSVファイルなどの「ふりがな情報がない」セルに対しては、PHONETIC関数を使うだけでは不十分です。イミディエイトウィンドウで「Selection.SetPhonetic」を実行して、一括でふりがな情報を生成する手法が最も効率的で強力な解決策となります。
また、ふりがなを表示させるセルそのものの書式設定やフォントサイズが原因で、表示が隠れてしまっているケースも忘れてはいけません。セルの高さを調整したり、ふりがな設定ダイアログから配置やフォントを整えることで、見やすいリストを作成することができます。
最後に、スマホ版やWeb版のエクセルには機能制限があることを理解し、必要に応じて「別のセルにふりがなを入力する」といった運用を組み合わせることで、どのような環境でも困らないデータ管理が可能になります。今回紹介した方法を参考に、ストレスのないエクセル操作を実現してください。


